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はきなれない草履をはいて、足元がおぼつかない3歳児。袴姿が凛々しい5歳児。すっかりレディーに変身した7歳児。七五三の季節、こんな姿を見かけると、あまりのかわいさに、ついつい口元がほころんでしまいますね。

今回はそんな七五三についてのお話しです。

 

生まれてから七五三のお祝いまで

自分のこどもが健やかに丈夫で育って欲しいという願いは、今も昔も変わりありません。今ほど医学が発達していなかった時代には、こどもが無事に七五三を終えることは、今では考えられない程大変だったことと思います。 

赤ちゃんが生まれると、まず7日目に「お七夜」といって名前を付ける命名式を行い、生後30日を過ぎると、「お宮参り(初参り)」をします。100日を過ぎて「お食い初め」、そし初節句に、1歳のお誕生日。そのつど家族や、場合によっては親族を集め、お祝いの膳を囲みます。

今なお残るこれらの行事はすべて、それまで無事に過ごせたことへの感謝と、今後もすくすくと育って欲しいという親の切なる願いを表現したものです。 

 

3歳のお祝い 

その昔、赤ちゃんが誕生すると、男女とも生まれてから7日目に産毛を剃り、3歳になるとそれまで剃っていた髪を伸ばし始めました。この時行われる儀式を「髪置きの祝い」といい、今の3歳のお祝いのもとになったものです。

今では、女の子が3歳になると(地方によっては男の子も)晴れ着を着て両親と一緒に神社にお参りします。晴れ着は7歳のお祝着と同じように、きちんと帯を締める場合と、着物の上に「被布」を着せる場合がありますが、体の小さな子どもの場合はこちらの方が軽くて本人に負担がかからないようです。

最近では、お手ごろ価格の被布セットもあり、よく売れているようです。また、お宮参りで使用した祝着を直して、3歳の祝着として使うこともできます。その場合は被布と小物だけ購入すればよいことになります。 

 

5歳のお祝い 

5歳のお祝いは男の子のみのお祝いになります。これは、5歳になったお祝いに、子どもを碁盤の上で吉方に向って立たせ、左足から袴をはかせる「袴着(はかまぎ)の祝い」という儀式からきています。

この時、長寿や子宝に恵まれた人に儀礼上の親になってもらい、白髪頭になるまで長生きするようにと願いを込めて、真綿の真っ白な帽子を子どものあたまにかぶせました。

現代でも宮中では、古式ゆかしいしきたりにそって儀式をとり行っているそうです。 きもの雑誌などでは、束帯や裃姿なども見ることもありますが、やはり羽織袴が一般的です。色は黒か紺が多いですが、最近ではからし色やグリーンなどの変わり色のものも見かけるようになりました。胸には袋に入った小刀(もちろん本物ではありません)を差し、お守りを付け、縁起物の末広を持ちます。

 

7歳のお祝い 

女の子が7歳になると、七五三最後のお祝いが待っています。これも元は「帯解きの祝い」といって、それまで着ていた着物に付いていた付紐を取り、初めて大人と同じように帯を締める儀式に由来しています。 

7歳のお祝いに使う着物は、まるで花嫁衣裳と同じように豪華なものです。友禅、刺繍、絞りなどの豪華な振袖に、袋帯を締め、使われる小物も、帯締め、帯揚げの他に、筥迫にびらかんざし、末広、また、しごきといわれる帯も使います。 また、お祝いの年齢についてですが、本来七五三は数え年で行なわれていましたが、現在は満年齢でも行うことも多く、家族で話し合って決めればよいということになっています。 

 

なぜ、11月15日? 

七五三のお祝いは、11月15日と定められていますが、いったいどうしてなんでしょう(東北地方など一部の地域は1ヶ月早めて10月15日としているところもあります)。 もともと七五三は、こどもの誕生日やお正月に行われていました。それがなぜ11月になったかというと、まず11月といえば、秋の実りの時期。その年の収穫を全て終え、秋の実りを神に感謝すると共にこどもの成長をお祝いするのは、自然な成り行きだったのかもしれません。

また、徳川将軍家光の四男徳松(のちの五代将軍綱吉)の5歳の祝いを慶安3年(1650年)11月15日にとり行ったことが11月15日という日を決定付けたとも言われています。 ただ現実には、家族みんなが揃う休日にお祝いをするといったケースが多く、11月に入ると祝日や土日毎に家族で神社にお参りしたり、写真館に出かけたりする姿を見かけます。 七五三のお祝いはあくまで子どもが主役です。子どもの体調や、その日の天気も考えて、子どもにとって楽しい一日になるようにしましょう。

 

神社へのお参り 

子どもにとって楽しい七五三のお祝い。でももっと嬉しいのは、ここまで育ててきた両親や家族に違いありません。最近では、写真館で写真を撮るだけだったり、家族で食事をしておしまいという話もよく耳にします。それはそれで楽しいのですが、せっかくのお祝いです。やはり神社に出向き、お祓いをしてもらうことをおすすめします。

氏子でなくても結構、どこの神社でもこころよく請け負ってくれるはずです。また、神社をどこにするかも大事なポイント。名前の通っている大型の神社の場合は、何十人も一斉にお祓いしますのでイベント性が強く、子どももお祭り気分で参加することもできますが、結構あわただしかったりもします。

また、敷地が広い為、参道をかなり歩くことは(だっこも含めて)覚悟しなければなりません。一方小さな神社の場合は、待つこともほとんどなく、お祓いも自分の子ども一人だけでもやってくれます。人がいなくて淋しい代りに、神主さんの祝詞奏上(のりとそうじょう)を聞きながら、「いろんな事があったけど、ここまできたんだなあ。」と、しみじみと感慨にふけることができるかもしれません。 

神社に申し込む場合、社務所にあらかじめ電話で申し込んでおきます。その際、料金の事をはっきり聞いてしまった方がいいでしょう。何種類かの中から選ぶことができますし、どこが違うのかもはっきり聞いてしまった方がよいと思います。 当日は決められた金額を「のし袋」に入れ、表書きには「初穂料」か、ていねいに「御初穂料」。または「玉串料」、簡単に「上」と書いてもいいそうです。 

 

初穂料とは? 

日本は古来稲作を中心とした農業を生活の基盤としてきました。実りの秋には、その年収穫した稲穂を、感謝の意味を込めて、一番最初に神前にお供えします。これを初穂といいます。これをお金に換えて捧げる時、「初穂料」となります。また、稲に限らず、その年初めてできた農作物をお供えする時も初穂といったそうです。

 

千歳飴 

七五三に付き物の「千歳飴」は、松竹梅や鶴亀が描かれた袋の中に、紅白の長い飴がはいっているものです。歴史は古く、江戸時代には浅草で「千年飴」「寿命飴」として売られていたのが始まりといわれています。「百歳千歳(ももせちとせ)」の健康と成長を願う縁起飴で、その細長い形から寿命が延びるとして喜ばれます。

 

お祝いを頂いたら 

両親の実家や親戚の方からお祝いを頂いたら、神社参拝の後、晴れ着のままで千歳飴とお赤飯を配るのが本来のしきたりですが、離れて住んでいてその日の内に挨拶にいけないこともありますね。その場合は、後日改めてということになりますが、その際、表書きには「内祝」と書き、下には子どもの名前と年齢を書きます。また、晴れ着を着た子どものスナップ写真を何枚か一緒に送って差し上げると大変喜ばれます。

 

ご家族でぜひお着物を! 

最近では、ご家族で着物を着てお祝いされる方が増えています。記念にお写真を撮影すれば、とても素敵な思い出になりますね。七五三の主役はもちろん子どもですが、その子どもを育てるのに一番大変な思いをしたのは、何といってもお母さん。ご両親にとっても七五三はハレの日です。できればお子さんと一緒に着物を着て、ご家族でお祝いしましょう。子どもが生まれてからずっと、子ども中心の日々を送ってきたお母さんに、ぜひ七五三のお祝いの日くらいは最高のおしゃれをして、気分もゆったりと過ごしてみませんか?

お手持ちのお着物のコーディネイトや、リメイクなど、いつでもご相談を承っております。

お祝い着について

お祝い着が店頭に並び始めるのは、5月から6月ごろになります。商品は化繊のもの、正絹のもの、反物からお仕立てできるもの、絵羽物など、お手ごろなものから高級品まで様々に取り揃えております。

ご覧になりたい方は、以下のご来店予約からご希望の内容をお伝えいただくか、お近くの店舗へお問い合わせください。ご希望に近い商品を事前にお取り寄せすることが可能です。お手入れやお直しのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。