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振袖がミスの第一礼装なら、黒留袖はミセス、つまり既婚女性の第一礼装ということになります。留袖は黒留袖と色留袖の二種類がありますが、基本はやはり黒。
 
結婚式でも、最近は色留袖をお召しになる方が増えてきてはいますが、やはり基本の黒はキチンと押さえておきたいところ。花嫁や花婿の母として、また仲人として披露宴に出席する時は必ず黒を着ます。
ここでは留袖にまつわるお話をしてみましょう。
 
 
長い袖を留めたものが留袖 
けして「切る」なんて言ってはいけません 
留袖の由来についてはいくつかありますが、割と有名な話ですと、まず昔は黒振袖と色振袖の2種類があって、結婚すると長い袖を留めて(つまり短く切って)通常の袖丈にしたというものです。どうして結婚したら短くしなければならないのでしょう。袖が長いと動きにくいから?もちろんそれもあるでしょうが、こんな説もあります。
 
振袖は本来、未婚の女性が愛情表現するためのもので(言い切ってしまうところがスゴイ!)、たもとを左右に振ると「好き」という意味、前後に振ると「嫌い」というもの。 それもバタバタと大げさに振るのではなくて(当たり前!)、意中のあの人にだけ分かるようにそっと、しかも恥らいながらサインを送るのだそうです。そういえば、男女間の話で「振った」とか「振られた」という言葉がありますが、ここからきているのかもしれません。粗末に扱うという意味で「袖にする」なんて言葉もありますね。くれぐれも若い女性に「粗末に扱われないように」したいものです。
 
振袖を着て、意中の人もゲットし、無事玉の輿に乗った江戸時代のお嬢様は、もう袖を振って密かにサインを送る必要もないし、「これからはあなただけよ」という決意の表れとして、それまで長かった髪ではなく振袖の袖をバッサリと落し、今度は「お嫁さん」としての人生を歩み始めることになります。 
 
「切る」のではなく「留める」というのは、「婚家にいつまでも留まる」という意味を表し、結婚後、一番のお祝いの席で黒留袖を着るのは、黒はこれからどんな色にも染め替えすることができないことから、今後は自分の「色」を変えませんという「誓い」なんだそうです。 
 
今でも地方によっては結婚披露宴の時、花嫁の最後のお色直しに、結納の時に新郎側から送られた黒留袖を着るところがあります。どんな色にも染まる白無垢で三々九度を交わした後、白無垢でお客様をお迎えし、改めて色内掛で入場します。途中お色直しで華やかなドレスや振袖姿を披露した後、いよいよ最後のフィナーレで黒留袖を着て登場します。最後に花嫁から参列者へ、言葉にはしませんが「今日のこの気持ちを忘れず、今後は夫を立て、婚家に尽くします。」という決意を表明するわけです。 
 
ところで、長い袖を「留めた」あと残った生地はどうしたのでしょう。現代の呉服屋さんに聞いたら「オーダーで草履とバッグができますよ」といわれるでしょうが、当時は生まれてくる赤ちゃんが男の子なら黒振袖についていた袖を、女の子なら色振袖についていた袖を使い、一つ身のきものに仕立てました。当時は「袖に神が宿る」といわれ、ママの振袖の袖で仕立てた一つ身のきものは縁起のよいものとして、大切な赤ちゃんを守ってくれると信じられていたんですね
 
 
一度は着てみたい十二単(じゅうにひとえ) 
でも、留袖にその名残があるんです 
平安時代の十二単(じゅうにひとえ)に代表されるように、近年まできものは同色か薄色、または白などの下着を何枚か重ねて着用するのが正式でした。黒留袖も昭和の初期頃まで(地方によってはごく最近まで)表着の下に襲(かさね)と呼ばれる白地のきものを重ね着していました。 
 
現代では衿と袖口と振り、裾の部分に、比翼地と呼ばれる白の別生地を付ける、比翼仕立てと言われる仕立て方をするのが一般的です。簡単にいってしまうと留袖の内側に一部白い生地を縫い付けて、着た時にまるで重ね着をしているように見せるやり方ですね。 この重ね着をしているように見える部分のことを「比翼」というわけです。
 
とっても雅(みやび)な感じのするこの重ね着の習慣は日本独特のもので、他の国ではあまり見られません。ついでにいうと振袖や訪問着によく使われる「伊達衿」も同じ感覚で「衿比翼」という言い方もします。
 
 
そういえば、比翼って何? 
比翼地、比翼仕立て、衿比翼。「ひよく」っていったい何でしょう。
中国に古くからある伝説に「比翼の鳥」というのがあります。「比翼の鳥」は雄と雌それぞれ翼と目を1つずつしか持っていません。お互いの片割れを探して一体となった時、初めて大空高く舞い上がることができるといわれます。
 
夫婦和合の象徴として、古くから知られている伝説の鳥です。一番のおめでたい席に着られる留袖に、この言葉はとってもふさわしいと思いますがいかがでしょうか?(披露宴のスピーチのネタに使えそうなところもGOODです)
 
 
色留袖のお話し
さて最近、以前に比べ披露宴でよく見かけるようになったのが色留袖です。
黒留袖に準ずるものとして、やはり礼装の扱いになります。身内の結婚式、披露宴にも着ることができます。また叙勲のお祝いで皇居に招待された時には「黒以外の紋付」を着るきまりになっているので、一般的には色留袖を着ます。
 
ただ冒頭でもお話した通り、花嫁や花婿の母として、または仲人として結婚式に出席する時は、やはり黒留袖を着用するのが慣わしとなっています。
 
また、最近では、母親の立場として、結納の席で色留袖を着るケースも増えています。 黒留袖と違うのは独身でも着ることができる点と、仕立て方を変えることで用途を変えることができるところです
 
通常色留袖は黒留袖と同じように白の「比翼地」を使って比翼仕立てにします。その際、紋は染め抜きの5つか3つになるのが普通です。
 
一方、最近では比翼を付けずに訪問着仕立てにする場合も出てきました。その際、紋は染め抜きの3つか1つにします。訪問着仕立てにしたものを色留袖として着用の場合、白の衿比翼を使い、帯〆や帯揚も礼装用の白を使います。訪問着として着用の場合、比翼がついていませんので衿比翼をはじめ、帯〆や帯揚も自由に色が選ぶことができます。
 
紋の数は多い方がより格が高くなり(最高で5つまで)、着る場所も限られます。紋の数は少ない方が格は下がりますが着用できる場所は広くなります。どちらにするかは人それぞれですが、手縫いのものであれば、訪問着仕立てのものを色留袖仕立てに、またその逆にも直すことができます。 
 
 
黒留袖・色留袖をお探しの方は、すずのき・絹絵屋各店舗にてお気軽にご相談ください。
ご来店予約をしていただきますと、事前にご希望に近いお品をご準備させていただくことが可能です。