黒紋付

黒紋付は五つ紋が入った第一礼装の着物です。喪服としてだけでなく、卒業袴等の装いにも着用いただけます。
すずのきオリジナルの黒紋付を常時取り揃えております。

黒紋付とは?

葬儀でお召しになる礼装のきものは一般的に「喪服」と呼ばれますが、正式には「黒紋付」と呼びます。「モンツキ」という名前の通り、家紋がつきます。
紋が五つ入っている「五つ紋」の着物は第一礼装で、留袖、紋付袴、黒紋付の3つです。
昔は黒紋付に祝い帯を締めて結婚式に出ることもありました。
現在でも、袴と組み合わせて式服とし、卒業式の式服としている女学校もあります。

黒紋付は “お守り” の着物

家紋のお話しみなさんは、ご自分の家紋をご存知ですか?
人は誰でも苗字と名前があるように、生まれた家の家紋を受け継いでいます。
家紋にはそれぞれ意味と歴史があり、調べてみるととても奥が深いものです。

黒紋付の五つ紋は、背中、左右の胸、両袖につき、それぞれ意味があります。

背中(背紋)ご先祖様。災いや邪気は背中から入ってくると恐れられ、背紋によってご先祖様が守ってくれます。
左右の胸(抱き紋)両親
両袖(袖紋)兄弟、親戚

この五つの家紋があることで、血筋や一族を表しています。

五つ紋のきものを持つことは、ご先祖様に守っていただくことを意味します。
黒紋付は、家族の愛に満ち溢れたお守りのきものです。

黒紋付がお葬式で果たす大事な役割

仏教の場合、亡くなってから七日ごとに法事、法要があります。
「四十九日」という言葉がありますね。実はこの間に故人は、七日ごとに閻魔大王の裁きを受けています。
極楽浄土に行けるかどうかの判定が下るのが、7回目の裁き=「四十九日」目なのです。

お葬式では、紋を目印にそれぞれの紋のご先祖様が迎えに来てくれます。
ご先祖様は毎年お盆に「あの世」と「この世」を往復しているので、道順に詳しいです。
しかし亡くなったばかりの故人は、「あの世までの行き方」がわかりません。
それでも、天国までの49日間、一人で旅をしなくてはなりません。
生きている私たちの声は届きません。つまり、道を知っているご先祖様に連れて行ってもらうしかないのです。

黒紋付を着て、ご先祖様に故人の道案内をお願いする儀式がお葬式であり、紋の多いお葬式ほど、故人は寂しくありません。

すずのきの黒紋付
叙勲工場謹製 「宝黒」

すずのきでは、そんな家族の愛にあふれた大切なお着物「黒紋付」をお取り扱いしております。
季節を通していつでもお召しいただけるよう、冬用、夏用、そしてそれぞれの帯と長襦袢をご用意しております。

セット内容

冬紋付地京都丹後ちりめん 930g
夏紋付地新潟五越駒絽 600g級
冬帯西陣織 六通別腹黒共名古屋帯 黒 4柄
夏帯西陣織 六通別腹黒共名古屋帯 黒 4柄
冬襦袢綸子 正絹100% 3柄
夏襦袢駒絽 正絹100%

商品特徴

~ 生地 ~

【冬】丹後ちりめん /ウェーブシルク(特殊誂生糸)

創業百有余年の歴史を誇る老舗機場において、風合いを大切に厳選された絹糸のみを使い、シワになりにくく、回復性に優れ、上品な生地に織り上げたちりめんです。

◎京都府知事賞 ◎織物商業組合賞 ◎その他 多数受賞

【夏】駒絽 /新潟五泉駒絽

創業百有余年の新潟県知事賞受賞工場において、別織にて繊細で美しい絽目を実現。
しなやかさと柔らかさをかね揃え、涼感を追求した一品です。

◎皇室顕彰 ◎新潟県知事賞受賞 ◎その他 多数受賞

~ 染め ~

勲七等青色桐葉賞受賞工場

黒染の技術と共に歩み続けて約100年

創業以来、黒一筋に生き、黒染めとはいかにあるべきかを追求してきました。
匠の先人の心技を仰ぎ、これを凌ぐ逸品を追い求めてきました。
美しく深みのある上質な黒を創り上げることを目指します。

熟練の黒染師による究極の黒染

脈々と伝わる染めの中でも、もっとも難しいとされるのが黒染めです。
しかも黒紋付の黒は、黒の色が全てです。

伝統工芸士 山岡浩治 監修

~ 帯 ~

京都西陣別織六通別腹黒共帯

1本の帯を、太鼓紋と腹柄紋に織り分けてあるので、上品でしかも喪の席にふさわしい格調を感じさせてくれます。
◎夏冬同柄の4柄です。

~襦袢~

冬用 正絹綸子長襦袢 / 夏用 正絹駒絽襦袢

◎冬3柄です。

各店にてご用意がありますので、ぜひ一度実際にご覧になってください。

着物大辞典「黒紋付と喪服」

取扱店舗

すずのき・絹絵屋全店

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