着物の種類に合わせた体型補正|楽に動けるカジュアル着物に適した補正の仕方

こんにちは、すずのき編集部です。
みなさん着付けの際の体型補正はどのように行っていますか?
人によって正解が異なるので、考えだすとキリがなくなるのが体型補正の難しく思われがちなところです。
そこで今回は、その体型補正の基本的な考え方と、それを応用したカジュアル(普段着)向けの楽な補正の仕方についてまとめました。
後述しますが、フォーマルとカジュアルで補正の仕方が少し変わりますので、今回はカジュアルな普段着物(小紋・紬など)に的を絞っていきます。
着物の補正とは
着物を美しく着るためには、体型を「着物向き」に整える 補正(ほせい) が大切です。
洋服と違って着物は直線で構成されているため、体の凹凸をなだらかにし、寸胴のシルエットに近づけると着崩れにくく、見た目もきれいになります。
また、小紋や紬などの 普段着着物用の補正 は、振袖や訪問着ほど「きっちり・華やか」に整える必要がないので、最小限の補正で楽に着るのが基本です。
カジュアルの装いで最も優先すべきは、楽に長時間過ごせることです。
そのため、補正は「着崩れ防止」と「シルエット調整」のために、必要な分だけ行いましょう。
具体的には、タオル数枚で補えるくらいです。
トピックス:身体の部位ごとの整え方とポイント
1.胸元の基本
胸が大きくて衿元が浮きやすい方は、薄手のフェイスタオルを細長く二つに折ったものを胸下に入れて、バストのアンダーとトップの段差をなるべく緩やかにしましょう。
バストトップから腹部にかけてが緩やかな傾斜にするイメージでタオルを乗せます。
ウエストのタオルと共に腰紐で固定します。
胸が小さい方は、大きく補正はせず、薄タオルを軽く胸下に入れるくらいに留めましょう。ウエスト補正のタオルを入れるならそれで事足りる程度です。
胸とお腹の段差を整えることで着姿がまっすぐになり、衿合わせが美しく見えます。
デコルテ付近にシワが入るのが気になる場合は、鎖骨の下にガーゼやガーゼハンカチなどを入れてわずかに膨らみをつくると解決します。ただし、こうすることで息苦しさや動きにくさを感じる方もいらっしゃるので、お出掛け前に一度ご自宅などで試してみるのがよいでしょう。
2.ウエストの基本
ウエストは補正タオル(フェイスタオル)を活用してくびれを埋めます。
タオルを細長く二つ折りにして、ウエスト周りに巻き付け、腰紐で抑えます。
このとき腰紐はぎゅっとせず、軽く押さえる程度にしましょう。胸元やヒップのタオルがある場合は、それらをウエストのタオルで押さえながら腰紐を結ぶと上手くできます。
ウエストのくびれをなくすことで、帯が安定して着崩れ防止に繋がります。
3.ヒップの基本
お腹ぽっこりと出ている体型の方は、胸下からお腹にかけて薄手のタオルをふんわりのせて段差を緩やかにします。
ウェストの補正タオルと共に腰紐で固定します。
ヒップサイズが大きい方は、お尻の上にタオルを軽くのせると後ろ姿がすっきりします。
ヒップサイズがさほどおおきくなくとも、瘦せ型の方など、腰とヒップの段差がある方にも有効です。
大切なことは、体型に合わせて必要な部分だけ補うことなので、全員が同じ補正をするわけではありません。
ご自分の体型に合った補正方法を見つけましょう。
4.よく使う補正道具
・補正タオル(フェイスタオル):最も一般的、腰や胸の補正に使う。
・ガーゼや晒(さらし):胸をなだらかにするときに使用。昨今では晒を活用することが少なくなった。
・ヒップパッド:市販の補正具で手軽なアイテム。中にタオルを入れて調節できるものもある。補正タオルの代わりや補助に使う。
・コットンや脱脂綿:細かい調整に便利なアイテム。
・和装用ブラジャー:胸元を抑えて整えるアイテム。メーカーによって形状や素材は異なるが、総じて胸元の体型補正と付け心地に工夫がなされている。
上記のうち、太字で記されているものが揃っていれば普段着の着付けは十分間に合います。ヒップパットを使う場合は、タオルの枚数を減らしましょう。また、和装ブラジャーを着用するとトップとアンダーの差が小さくなるため、必然的に胸元の補正が減ります。
各アイテムを上手く活用して理想の補正体型を目指しましょう。
5.楽な体型補正のポイント
部位ごとの解説では基本的な補正の考え方を示しましたが、ここからは誰もが気になる楽で動きやすい着付けの補正の仕方となります。
根本として補正はしすぎると苦しくなり、逆に着崩れやすくなるので「必要最低限」であることが重要です。また、体型・年齢・着る着物(振袖、訪問着、普段着など)によって補正量は変わるということが前提としてあります。
ポイントは以下の通りです。
・小紋や紬、浴衣などの普段着は「無理なく楽に」が第一 なのでタオルは多くても2~3枚で十分。
・動きやすさ・着心地を優先して、バストやウエスト、ヒップに多少体のラインが出ても大丈夫。
・帯結びがしっかり安定すれば、細かい補正は気にしなくても大丈夫。
「これだけボディラインを緩やかにするって言ってきたのに・・・!」
と拍子抜けされた方、そうなんです。あくまで基本は基本で、あとはそれを踏まえて柔軟にかたちを変えていけるのがカジュアル着物の面白いところのひとつであり、それは体型補正についても例外ではありません。
そして、着付けの補正と聞くと、成人式などでガッツリとタオルや綿花を身体に巻かれて苦しかったときの記憶が蘇る方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、それはあくまできっちり見せなければならないフォーマルの着付けのためです。
気軽に楽しめる小紋や紬、更には浴衣を楽しむ際は、最低限の補正で楽に動けることを優先しましょう。そのほうがずっと楽しい思い出をつくることができます。
以上、ご参考になりましたでしょうか?
下記、着物大辞典では歴史やTPOなども紹介していますので合わせてご参考にしてください!
→ 最新のカジュアル着物の楽しみ方はこちらの記事で紹介しています。
さいごに
衿のつくりと同様に、カジュアルなスタイルにおいては「絶対にこうでなくてはならない」という決まりが少ない体型補正。
着物を着るたびにさまざまな組み合わせを試していく中で、自分のベストを見つけることが理想の着姿への近道なのでしょう。
「締めても締めても帯がずれてきてしまう」
「胸が帯の上に乗っているように見える」
「着物を着ると苦しくてうまく動けない」
などのお悩みを抱えていらっしゃる方。その原因は着付けの前段階にある体型補正かもしれません。
すずのきでは、着物の着方教室を各店舗にて開催しております。
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